大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和41(あ)948 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

当審における被告人Aに関する訴訟費用は同被告人の負担とする。

理 由

被告人Aの上告趣意は、単なる法令違反の主張であり、同被告人の弁護人遠山丙

市の上告趣意中違憲をいう点は、被告人の本件行為が超法規的緊急行為であるとい

う原判示にそわない事実を前提とするものであるから、結局事実誤認、単なる法令

違反の主張に帰し、その余は、単なる法令違反の主張であつて、いずれも刑訴法四

〇五条の上告理由に当らない。

被告人Bの弁護人楠朝男の上告趣意第一点中違憲をいう点は、憲法二五条違反の

主張であるが、本件のように需要に比して供給数量の僅少な医薬品の取引について、

法による統制を加え、これに違反する者を処罰することが憲法二五条の趣旨に反す

るものでないことは、当裁判所の判例(昭和二五年(あ)第二一〇六号同二六年一

二月五日大法廷判決・刑集五巻一三号二四七一頁、同二三年(れ)第二八一号同二

五年二月一日大法廷判決・刑集四巻二号八八頁)の趣旨に徴し明らかであるから、

所論は理由がなく、その余は、単なる法令違反の主張であつて刑訴法四〇五条の上

告理田に当らない。同第二点は、事実誤認及び単なる法令違反の主張であり、同第

三点は、量刑不当の主張であつて、いずれも同四〇五条の上告理由に当らない。

被告人Cの弁護人楠朝男の上告趣意第一点は、原判決の違憲を主張するが、その

理由のないことは、被告人Bに関する同弁護人の上告趣意第一点について記載した

とおりである。同第二点は、事実誤認及び単なる法令違反の主張であり、同第三点

は、量刑不当の主張であつて、いずれも同四〇五条の上告理由に当らない。

被告人D、同E株式会社、同F、同Gの弁護人佐佐木祿郎の上告趣意一は、事実

誤認及び単なる法令違反の主張であり、同二は、量刑不当の主張であつて、いずれ

- 1 -

も同四〇五条の上告理由に当らない。

よつて、同四〇八条、被告人Aについて同一八一条一項本文により、裁判官全員

一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和四一年一二月二三日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

裁判官 色 川 幸 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!